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はつかねずみは何処へゆく

「どんなときも遊び心」がポリシーのWEBクリエイター・津上夏哉のブログです。

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面白いかどうか決めるのは、作者じゃない

「面白い」ことはわかってます

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■これは僕の性格が悪い証拠なのだけど、他の人に「これめちゃくちゃ面白いから読んで!」「◯◯やばい。超面白い。楽しみにしていてね」みたいな発言を見ると、少し見る気が失せてしまう。当たり前だよ。この世に「面白くない」と想定されて発表されてる作品なんてほとんどないんだからさ。

 

でもって、それが面白いかどうかを決めるのは赤の他人じゃなくて読む人自身なんだよ。日本版ハリウッドのポスターに「全米が大絶賛!」「1億人が泣いた!」「絶対に面白い!」なんて書いてると興が削がれるでしょ。あれと同じことだよ。おすすめしたいのはわかっているんだから、すすめる相手に「面白い」を強要する言い方はよろしくない。僕も時々やってしまうので留意しているけど、それを日常的にやっている人があまりにも多すぎる。

 

読む人が事前に知りたいのは「面白さ」じゃない。どういうあらすじなのか、どういう魅力があるのか、どういう驚きがあるのか。求めているのはそれだろう。

 

「面白そう」と思うから読むんだ、他人から「面白いよ!!」と喧伝されて「じゃあ読んでみようかな」と読むより、「これ面白そうだな」と思って読むほうがいい(前者のほうがいいだろって方は、多分考えが合わないので、これ以上読まないことをおすすめします)。

 

少し話は違うけど、キュレーションメディアが増えて、他人がおすすめするものを甘んじて受け入れる時代になっているけど、自分で面白そうなものを探すことをやめちゃいけない。他人やまとめサイトの飼い犬になって尻尾振ってるままじゃダメってこと。本当に力のあるWEBメディアを読んでみてほしい。「面白い」とタイトルに打たれていても、個人の感想なんてどこにもないから(※1)。

 

……面白いから、と言わないと読んでもらえない? ほっとけほっとけ。値踏みしないと良し悪しが判断できない相手じゃどうしようもないんだから。

 

 

面白いかどうか決めるのは、作者じゃない

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■これはたまたま覗いたTwitterで見かけたからツッコミを入れると、発表してない作品(刊行予定の同人誌とか)の感想をべらべら話すのにはちょっと疑問がある。面白いのはもちろんわかっているんだ。それなりに有名なところだからね。

 

それで、ある作品に関してつぶやかれた内容がこれ。「◯◯さんの(作品名)良かった。これめっちゃ面白いよ。本の完成が待ち遠しくなる」。表現は多少変えてるけど、だいたいこんなもん。たしか、同じ本に寄稿している人だったと思う。

うん、わかる。わかるよ。その人の書く小説は面白い。僕だってファンの一人だ。ぜひ商業に羽ばたいてほしいと思っている。でもその発言は要らない。そう感じた。

 

たとえば、本の読者が「この作品面白かったなあ」ってつぶやくのはいいんだ。こっちもそのつぶやきを見て「面白いのか。僕も読んでみようかなあ」と思うようになるかもしれない。

でも、間違っても、間違っても同じ本に寄稿している執筆者の一人が他の収録作品について、発表前にSNSで「面白い」なんて語っちゃいけない(持論です。鵜呑みにしないでね)。

 

これに関しては「面白いんだから少しくらい良いだろう」とたくさんの反論があると思うけど、僕個人としては先述したとおり、面白い・面白くないという点には一貫して興味がない。それは自分が読んでから決めることだ、他人に強制される部分じゃない。

 

僕は「面白さ」なんてものはどうでもよくて、実際に求めているのは「どういうジャンルか」「どういう世界観なのか」「どういうキャラが魅力的なのか」みたいなことだ。発信する側の人間が、気安く自作品・それに相当する他人の作品を「面白い」なんて言葉で逃げちゃいけない。

 

僕はそういう点で村上春樹の『1Q84』の打ち出した事前情報皆無な広告がとても好きだった。今回の『騎士団長殺し』がどうなのかは知らないけども、似たようなものではないかと思う。情報を与えるだけで、その感想については心の片隅に潜ませておけばいい。

 

面白いかどうか決めるのは、作者じゃない。それを手に取る人だ。創作をする人間である以上、そこは弁えておくべき点ではないかと感じた。

 

■はつかねずみがやってきた。それでは、また。

 

 

※1:どこにもないというか、あっちゃいけない。そもそも多くのWEBメディアは記事内で「筆者の主観的な意見」をタブーにしてるから。