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はつかねずみは何処へゆく

「どんなときも遊び心」がポリシーのWEBクリエイター・津上夏哉のブログです。

嘘、御用人、待ち受ける壁

雑記

■ぼくは何かを「嫌い」と明言することはほとんどないんですが、メディアワークス文庫の浅葉なつ著『神様の御用人』シリーズは、二度と読めなくなりました。当該作品はとても好きなシリーズだったのですが、もう、買うことはないです。

 

もっともな理由として、昨年のエイプリルフールに、妙に作り込まれた「アニメ化決定」という嘘がTwitterでばら撒かれたということが挙げられます。

ぼくは当時の仕事柄、様々なエイプリルフールネタを集めていたのですが、こちらは本当に好きな作品だったため、嘘とも気付かずに諸手を振って喜んでいました。そこへ「嘘でした」と種明かしをされたものですから、呆然です。

 

好きな作品に、あろうことかその作り手に、望んでいる「アニメ化」を嘘だなんて言われたことは、ひとりのファンとしてとても悲しいことでありました。「なんだ嘘だったのかあ」と笑い話にすることはできませんでした。できるのなら、ネタばらしの前に「エイプリルフールネタだろ」と一蹴できました。

でもそうしなかったのは、「アニメになるんだ」と純粋に喜んでいたからです。

 

■嘘は人として生きていく上で欠かせない細工のひとつですが、他人を落胆させるために、それを利用してはならない。考えればわかることです。そうと知っていたかどうかはわかりませんが、くろのくろさんは人を、少なくともひとりを落胆させる嘘をつきました。大袈裟だととられるかもしれませんが、ぼくはそれくらい嬉しいことだと思っていました。裏切られた思いです。さすがにこれは持論ですが、作り手そのひとが読者を騙していいのは、作中のみであると、ぼくは思っています。

 

もうすぐ一年が過ぎます。今後数十年、ぼくが『神様の御用人』を読み返すことはありません。今も実家の本棚の片隅で、ページが開かれるのを待っているかもしれませんが、やがて触れられないまま古本屋へ消えていく運命だと思います。いつか本当にアニメ化するとしたら、ぼくは皮肉めいた調子で「で、これはいったいどこまで嘘なんだい?」と笑うのかもしれません。昨年の悲しいできごとのひとつでありました。

 

■さて、ぼくも人の振り見て我が振り直せ、予定していた作品が諸事情で作れず、辛酸を嘗める思いになったことは数知れず。主な立役者は「並列進行」です。一度に多くのことをやろうとして、結局どれも半端なまま幕を閉じるというのが常でした。自今は泥濘から脱却する思いで邁進しています。

 

二週間後には「第一回文学フリマ京都」、一ヶ月後には「第一回静岡文学マルシェ」が待ち受けていますが、それらが終わったとき、はたしてぼくは笑っていられるのでしょうか。あとは、未来の津上に託したいと思います。

 

……実は、他のイベントにも参戦が決まっているのですが、また後日。

 

■はつかねずみがやってきた。それでは、また。